The case of the brown rice lunchbox
ある日、いつものように娘を学童に迎えに行くと、学童の先生が言いにくそうに、こう言った。
「🌷ちゃんのお昼のお弁当なんですけど、今日はちょっと多かったみたいです。」
そうでしたか、それなら明日から量を少なめに調整してみますとお詫びして会話を切り上げようとすると、どうやらまだ何かありそうな困り顔。何かありますかと聞くと、
「あの、玄米が…」
とひとこと。
玄米?玄米が、なにかしたのだろうか?と内心ふしぎに思いながら、続けて話を伺うと、どうやら、その日娘は、食事の時間を30分で終えなければいけないところを、ひとりだけ60分間食べ続けたとのこと。そのため、学童では教室をひとつ余分に借りなければならなくなってしまい、学童運営全体に支障をきたすことになってしまったらしい。そして食事時間遅延の大きな要因となったのが、玄米だというのだ。先生の話は続いた。
「🌷ちゃんのお弁当箱を見せてもらうと、深さはそこまでないながらも、結構入りそうだなという感じで。お弁当を食べる様子を見ていた職員から聞いたところ、玄米がぱらぱらで、かなり食べづらそうにしていたみたいです。あとで本人に聞いたら、玄米自体が苦手だと言っていました。」
「玄米は、健康的で良いと思うんですけど、集団生活に支障をきたすことになってしまいますので、どうか(改善を)よろしくお願いします!」
先生の表情は使命感に満ちていた。
明日からお弁当を改善しますと先生に約束し、半ばショックな心持ちとともに、娘と手をつなぎ、とぼとぼ帰り道を歩いた。
裏目に出た健康志向
ほどほどに健康的な食事をめざしている我が家の主食は、基本的に玄米だ。娘は、はじめは気にせず食べていたが、ほかの子が白米を食べているのを知ってから、自分も茶色くない白いごはんがいいと、玄米を少し嫌がるようになっていた。
玄米以前に食べきれる量ではなかった
帰宅して、今日のお弁当はどうだったかと娘に聞くと、少し多かったけれど、美味しかったとのこと。ただ、最後に言った言葉が気になった。
「ママのお弁当は世界でいちばん美味しいから、のこさず食べることに決めてるんだ。」
これだ。
こういう甘い言葉が私を舞い上がらせ、小1の子の弁当に、ジャイアンか食べ盛りの男子中学生か、という行き過ぎた量のおかずをつめこませる行為へと至らしめたのだ。
STOP!与えすぎ 母 酔っ払うなかれ
私は反省した。
娘に、ママ最高(←言ってない)などとおだてられ、いい気になり、自分に酔っ払っていたのかもしれない。
冷静になろう。
思えば先生は、きちんと改善のヒントを与えてくれていた。
先生の言葉をおさらいしよう。
深さはそこまでないながらも、結構入りそうだなという感じで。
→量が多すぎるので減らした方がよい
玄米がぱらぱらで、かなり食べづらそうにしていたみたいです。
→食べづらいばらばらではなく、おむすびやいなりなどまとまっている形状のものがよい
あとで本人に聞いたら、玄米自体が苦手だと言っていました。
→玄米苦手なら白米にしましょう!
ということだ。
家庭内ポリシーは虹の彼方へ
その晩、夫婦で玄米会議を開き、弁当については、玄米はいったん差し止めとなり、翌朝は、つやピカの白米が炊かれた。そして、翌々日には、封印されていたふりかけも解禁となった。
子どもが食べやすいお弁当ポイントまとめ
おにぎりが好き
玄米より白米
野菜とフルーツは多めに肉魚ほどほどに
ゆで卵は半分でよし
小学校低学年の適量は500mlくらい
おわりに
先日、職場で、奇跡のお弁当と評判の「チオベン」を頂いた。今回お弁当で試行錯誤してみて、チオベンのことを思い出した。見た目が美しくて、はやく食べたい気持ちになって、食べてみると発見や驚きがあって、最終的に笑顔がうまれ、栄養としあわせでいっぱい、そんなお弁当をいつか作ってみたい。
弁当道は続く。