【名店紹介】アムステルダム Koopman(サンドイッチ)

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オランダの食べ物と言ったら、何を思い浮かべるだろうか。チーズ?ヨーグルト?どちらも正解だが、より現地に根ざした答えがある。それは、「broodje(ブローチェ)=サンドイッチ」だ。

オランダで生活しはじめてから1週間ほど経ったころ、街を歩いていて気がついた。昼どきになると、あるタイプの店に行列が出来ているのだ。ほどなくして、皆が並んで買い求めているのは、「お肉屋さんがつくるサンドイッチ」であることが分かった。デリカテッセンと呼ばれる肉や惣菜を扱うお店から、どの人もほくほくした顔で紙袋を片手に出てくる。そんなに美味しいのかと気になって、2ヶ月と少しの間に、20軒以上のサンドイッチ店を訪ねた。今日はその中から、文句なしに美味しい、アムステルダムの店、”Koopman”を紹介したい。

店名: Koopman
所在地: Elandsgracht 100HS, 1016 VA Amsterdam
tel: 020 623 8480

アムステルダムの繁華街は、中央駅を基点として、下側にコンパスで180度の線を引いた半月型のエリアだ。この繁華街にぎりぎり入らず、静謐さを保っているシックなストリートに、Koopmanはある。赤色のファサードが目印だ。

Koopman外観 店外のベンチには いつも誰かしらいる

お店の中に入ると、女性の店員さんが、何がほしいのかと話しかけてくれる。初めて訪れた際は、ほとんどが常連さんといった雰囲気に少し気圧されたが、思いきっておすすめを訊いてみた。店員さんは、「ポークとツナメルトは、間違いなくおいしい組み合わせ。」とのこと。じゃあそれをひとつくださいと言って、店の外で食べてみた。これが、うなるほど美味しかった。ひと口食べたあとに、思わず目の前のサンドイッチを二度見してしまったほどだ。

数10種類から選べる具材 単品購入も可能

総合力の高さが魅力
その後、こちらでいくつかのサンドイッチを試してみた。ミートボールやローストビーフ、クラシックなハムチーズサンドイッチなど、どれも美味しい。店員さんは、パンの種類、バターの有りなし、具材やソースなど、ひとりひとりのリクエストにしっかりと耳を傾けてくれる。おなかがすいた人々を待たせない軽快なテンポで、けれど丁寧にサーブされるサンドイッチは、ちゃんと”料理”だ。衝撃的なのは、味の良さ、店の雰囲気、店員さんのあたたかい対応だけでなく、このオーダーメイドの美味しいサンドイッチが、朝8時から17時まで、3ユーロと少しの価格で食べられることだ。※日曜日定休

ポークとツナメルト 胚芽パンと一緒に

サンドイッチと共に生きる オランダ人
どこの街を歩いていても、サンドイッチの紙袋を持った人や、その場でパクパク食べながら歩いている人に出くわす。オランダ人の特徴としてよく合理性があげられるが、なるほどサンドイッチほど合理的な食べものって、そうそうないかもしれないと思う。持ち運びの際は、どの角度でバッグに入れても心配なし。移動や作業をしながらでも手を汚さずに食べられて、便利。もっともポピュラーなハムチーズサンドイッチは、パンを割ってハムとチーズを挟めば完成!という超絶シンプルな工程だが、具に旨みの強いチーズを使うことによって、それなりに満足度の高いランチになるし、飽きがこない。オランダは、世界で一番平均身長が高い国としても知られているが、実はそれは、200年前くらいからのことらしい。乳製品やサンドイッチという文化に、オランダ王国のバックボーンを感じる。

【番外画像】夫が働く会社の社員食堂風景 サンドイッチコーナーは 倹約家のオランダ人スタッフにも人気なのだとか

この食文化を抜きにしてオランダを語れない、オランダの人々を支えるソウルフード、broodje=サンドイッチ。アムステルダムを訪れる機会があったら、ぜひ一度トライしてみてほしい。

Koopmanがある通り Elandsgracht(エランツグラハト)